2014年5月30日金曜日

砂漠の中の芸術、神の愛伝える、サルベーション・マウンテン

ロサンゼルスで生活を始めて以来、お世話になっている日本人の友人夫妻に誘われて、砂漠の中の宗教芸術作品「サルベーション・マウンテン(救済の山、Salvation Mountain)」を見に行った。

サルベーション・マウンテンは、レオナード・ナイト(1931~2014)が1984年から28年間かけて制作した巨大な芸術作品。高さ15メートル以上の山の表面を泥で覆った後、ペンキでなど神を敬う言葉を書いたり、カラフルな立体作品を飾ったりしている。

ロサンゼルス市中心部から車で4時間ほど離れたインペリアル平原北側の砂漠地域にある。
到着すると、雲一つなく、カンカン照りの空の下、赤色とピンク色のペンキで「GOD IS LOVE」とでかでか描かれた山が目に飛び込んできた。その下にも大きな赤いハートが描かれ、その中に英語で「イエス(様)、私は罪深き者です。どうか私の体に舞い降り、私の心の中に入ってきてください」と書かれている。その周囲には、色とりどりの花の立体作品が添えられていた。

色鮮やかなサルベーション・マウンテン。周囲は荒涼とした砂漠地域だ。

作品には黄色の小道も描かれ、見学者が山頂まで登ることができるようになっている。泥とペンキという弱い素材でできており、傷みやすいため、黄色の小道を描いて見学者がその他の場所を踏まないようにしているらしい。

「Yellow Brick Road」と名付けられた黄色の道を上がると山頂へ。

山頂には特大の「GOD」を模った立体作品

しばらくすると、あまりの暑さで汗がだくだく出て、頭がふらふらしてきた。
作品の外観はインターネットで知っていた。けど、実際に現地を訪れることで、この砂漠地域で28年間黙々と作業を続けたナイトの作品に込めた信仰心を感じることができた。

ナイトは2011年、作品保存に向けた団体を設立。体調がよければ年に数回、現地を訪れていたが、今年亡くなったらしい。


サルベーション・マウンテンを後にして、すぐ近くのソルトン・シー(Salton Sea)という大きな湖に向かう。この湖は1905年、コロラド川の氾濫によってできたという。遠くから見るときれいだけど、本当は汚いとアメリカ人の友だちに聞いていた。実際はどうだろうか。

その途中、国境警備隊の検問所を通った。この地域はメキシコ国境まで車で1時間弱。非合法移民に対する警備も厳しい。同じカリフォルニア州内でもロサンゼルス市から遠く離れる場合は特にパスポートの携帯が必要だ。

検問所で少し緊張した後、ソルトン・シーに到着。アメリカ人の友だちが言っていたとおり、湖の砂浜に近づくと異臭が。水際付近には干乾びた魚の死体が無数に残っていた。現在、湖の塩分が上がったり、周辺農地の肥料が流れ込んだりして、水質が悪化しているらしい。

ソルトン・シーで釣りをする人たち

だけど、数百メートル離れた場所で、クーラーボックスを持って来て釣りをしている人たちがいる。とてもじゃないけど、この湖の魚を食べられる気はしない。食べるんだろうか。


湖の後はオレンジ郡のベトナム系コミュニティにある人気ベトナム料理店に。友人夫妻おすすめの生春巻きは豚や海老のすり身と野菜の他に揚げた春巻きの皮のようなものが入っているので、外はもっちり、中はパリパリ。特製のソースに突っ込んでから口に放り込むと抜群に美味しかった。

豚春巻きは4本で6ドル(写真)、海老春巻きは4本で8ドルとお買い得。

いつもお世話になっている夫妻にまたお世話になった。感謝の一言です。

・サルベーション・マウンテンについては、こちら
・ベトナム系コミュニテイについての当ブログ記事は、こちら


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